実施概要
■ 企業・団体名:日信ソフトエンジニアリング株式会社(埼玉県)
■ 参加人数:13名
■ 受講プログラム:語り部による学びのプログラム(震災講話+バス語り部)
■ 参加の目的:防災・震災学習、地域づくりや復興の学び、研修・人材育成、個人的な関心など
【研修の目的】埼玉のIT企業が南三陸で「団体研修」を行う理由
埼玉県に拠点を置き、社会インフラを支えるシステム開発などを手掛ける日信ソフトエンジニアリング株式会社様。今回、総勢13名の皆様で当館を訪れ、「語り部による学びのプログラム(震災講話+バス語り部)」を受講されました。
この研修は、社員の皆様の人材育成や組織の危機管理意識を高めることを目的に企画され、防災・震災学習のみならず「地域づくりや復興の学び」への高い関心を持ってのご参加となりました。
受講いただいたプログラムは、被災当時のリアルな経験を聴く「震災講話」と、実際に町内を巡りながら被害と復興の足跡をたどる「バス語り部」の組み合わせです。
研修後のアンケートでは、プログラムに対して「大変満足」との高い評価をいただき、その理由として以下のようにお答えいただきました。
【受講者の声】 「災害に対する備えの重要性や、いざ災害が発生した際の『対応原則』について、深く理解することができました」
13名の参加者それぞれが、甚大な被害を受けた現地の凄惨さとそこから立ち上がった人々の生の声に触れることで、頭で理解するだけの「防災」を超え、組織や個人におけるリアルな危機管理のあり方を考える契機となったようです。

プログラムの中で、最も参加者様の印象に残り、深い学びとなったのが「率先避難者たれ」という言葉でした。
【受講者の声】 「率先避難者たれ(周囲を巻き込んで、自分がまず最初の一歩を踏み出せるようになること)という教訓が、強く心に響きました」
津波避難において、誰かが逃げ始めるのを待つのではなく、自分が最初の避難者となって周囲の避難を促す──。この同調バイアスを打ち破る行動力は、災害時のみならず、企業のリーダーシップや日々の組織運営においても非常に重要なマインドセットです。「自分が動くことで周囲の命を救う」という決意を、研修を通じて強く刻まれていました。

受講者の皆様は、南三陸で得た教訓を一時的な体験で終わらせるのではなく、これからの「仕事」と「日常」の双方に組み込んでいきたいと、今後の展望を語ってくださいました。
- 業務における危機管理 日々の業務におけるリスクヘッジや、想定外のトラブルが発生した際の「行動原則」として、今回学んだ確実な初動と判断力を活かしていく。
- 日常における行動原則 プライベートや地域社会においても、常に防災意識を持ち、いざという時には「率先避難者」として周囲を導ける存在を目指す。

最後に、当館のプログラムや施設設備に対し、「現段階では、十分な内容・施設だと思っています。今後も、継続いただきたいと思います」という大変励みになる温かいエールをいただきました。
社会の安全やインフラに関わる企業様だからこそ、今回の研修で共有された「率先避難者たれ」という教訓が、13名の皆様それぞれのこれからの確かな行動原則として活かされることを、スタッフ一同心より願っております。ご来館、誠にありがとうございました。
【研修受け入れレポート】震災の教訓から「主体的に考え行動する力」を学ぶ
トヨタレンタリース栃木 新人社員研修

実施概要
【団体】 トヨタレンタリース栃木 新人社員研修
【人数】 18名
【実施プログラム】 震災講話(60分)+バス視察(90分)
受け入れレポート
今回、トヨタレンタリース栃木の新人社員18名の皆さまをお迎えし、震災講話とバスによる現地視察を実施しました。
講師は、東日本大震災を経験した南三陸町議会議員・伊藤俊氏が担当。まずは南三陸ポータルセンター交流ルームにて、自身の被災体験をもとにした震災講話を行いました。
講話では、「当たり前の日常」が決して当たり前ではないこと、そして災害はその日常のすぐそばにあることを、自身の経験を交えながらお話しいただきました。

また、「命を守ること」だけではなく、「命を守り続けるためにどう備え、どう生きるか」という視点の重要性についても紹介。災害時には、情報が不足し、ライフラインも途絶える極限状態の中で、人とのつながりや日頃から築いてきた信頼関係が大きな支えとなること、さらに避難生活では正しい知識や事前の備えが、その後の生活や心身の健康にも大きく影響することが伝えられました。
講話の締めくくりでは、「無関心こそが最大のリスク」というメッセージとともに、平常時から防災を自分事として考え、日々の訓練や備えを積み重ねることの大切さが語られました。
被災地を巡り、震災の現実を肌で感じる
講話終了後はバスに乗車し、浸水エリアである旧戸倉中学校や戸倉小学校跡地へ向かいました。
震災当時、この地域で実際に起こった出来事や避難の状況について説明を受けながら現地を巡る中で、参加者からは「ここまで津波が到達したのか」と驚きの声も聞かれ、被害の大きさを実感している様子がうかがえました。

その後は旧防災対策庁舎へ移動し、震災前の町の様子や発災当日の状況、そして庁舎で起こった出来事について説明を受けました。参加者は当時の状況を思い浮かべながら、真剣な表情で耳を傾けていました。
最後に名簿安置の碑を訪れ、全員で静かに手を合わせ、犠牲となられた方々へ哀悼の意を捧げました。
現地で見て、聞いて、感じることで、震災を「過去の出来事」ではなく、自らの行動や備えにつなげる学びの時間となりました。
受講者インタビュー
「自分で考え、行動する力」を育てる新人研修として
― 今回の研修を実施されたきっかけを教えてください。
グループ会社である栃木トヨタでは、約10年前に南三陸町を訪れ、ホテル観洋の女将さんの講話や語り部バスを体験したことがありました。その際の学びが非常に印象深く、「ぜひ自社の社員にも経験してほしい」と感じたことがきっかけです。
コロナ禍では実施を見送っていましたが、現在は再開し、新人社員研修の一環として毎年南三陸町を訪れています。

― 新人研修として期待していることは何ですか。
震災の現場を実際に訪れることで、防災意識を高めてもらうことが第一の目的です。
一方で、仕事においてもマニュアルどおりに進めるだけでは対応できない場面があります。状況に応じて自ら判断し、最善の行動を選択する力が求められます。
今回の研修を通じて、「今、自分に何ができるのか」を自ら考え、主体的に行動できる人材へ成長するきっかけになればと期待しています。
― 特に印象に残ったことを教えてください。
「命を守ること」だけではなく、「命を守り続けるための事前準備」が重要であるというお話が特に印象に残りました。
日頃からさまざまな状況を想定し、いわば”頭の体操”をしておかなければ、たとえ命が助かったとしても、その後の生活を守り続けることは難しいという考え方は、これまでになかった新たな気づきでした。

トヨタレンタリース栃木の皆さま、このたびは南三陸311メモリアルのプログラムをご受講いただき、誠にありがとうございました。震災の記憶と教訓が、皆さま一人ひとりのこれからの行動や備えにつながり、「命を守る力」を未来へつないでいくきっかけとなれば幸いです。またお会いできる日を心よりお待ちしております。

