8月27日(火)、南三陸311メモリアルを会場に、「南三陸みんなのきりこ」鑑賞&交流会を開催いたしました。
今回の交流会は、メモリアルをはじめ町内50ヵ所できりこを展示する「南三陸みんなのきりこプロジェクト」の一環として開催。
※南三陸みんなのきりこプロジェクトの詳細はこちら
入谷地区や歌津地区から、約30名のみなさまにお集まりいただき、作品制作当時の思い出や、震災前の町の思い出などを語り合いました。
今回ガイドを務めていただいたのは、「南三陸みんなのきりこプロジェクト」を主催するENVISI代表の吉川由美さん。
吉川さんより、自身と南三陸町との関わり、きりこをモチーフにしたアートプロジェクトのこれまでの歩み、そして様々なきりこを制作した当時の思い出などをお話いただきました。
歌津地区の三浦静江さんのきりこには、伊里前で営んでいた熊三商店の屋号と位牌などが描かれています。歌津の伊里前にあった熊三商店には、津波で鉄骨だけが残された建物に、不思議とまわりの家々の位牌が集まってきたという逸話が紹介されました。
また、伊勢神宮とのつながりもある戸倉地区の五十鈴神社で別当を務めてきた佐藤あき子さんのきりこには、真ん中に大きな鏡が描かれています。これは、自宅に保管していた大事な御鏡を、震災一週間前に神社に移したため津波でも流されずに無事だったというエピソードからでした。
じっくりときりこにまつわる話を聞いたり、懐かしい思いで話に花を咲かせながら、震災前の暮らしや思い出を自由に語り合いました。
今回の交流会開催にあたりご協力いただきました南三陸町社会福祉協議会のみなさま、お集まりいただいたみなさま、誠にありがとうございました。
8月21日、夏休み中の教員研修として、南三陸町内にある戸倉小学校の先生方が南三陸311メモリアルを訪問されました。
昨年に続き2回目の教員研修ですが、新しく赴任された先生や町外から通っていらっしゃる先生も多いため、あらためて震災のことや地元の戸倉地区のことを学びたいという目的で、今年もご来館いただきました。
まず初めに、震災時の南三陸町の概況や防災対策庁舎の建設理由、東日本大震災時にチリ地震津波からの教訓がどう生かされたのかなどを、エントランスでお話ししました。
メインとなるラーニングプログラムは、4月に公開されたレギュラープログラム3「いのちを想う」をご覧いただきました。
大勢の人と避難場所にいるという安心感が危険を察知する感覚を鈍らせてしまうことがあることを学ぶとともに、当時の小中学生や漁師たちの証言から、彼らが被災後をどう生きてきたのかに耳を傾け、考えるためのプログラムです。
南三陸311メモリアルのラーニングプログラムでは、「この状況で、あなたならどうしますか?」という問いかけが参加者に投げかけられます。
レギュラープログラム3「いのちを想う」では、震災時の実際の避難行動による反省を口にした町民の証言をヒントにした問いかけとなっており、先生方もその理由を考えながら対話を重ねていました。
証言映像を観ながら、投げかけられた様々な問いについて対話しながら、参加者同士で考え合うというのが、当館のラーニングプログラムの特長です。当時この町で経験したときの様子を話したり、普段の子どもたちの様子を思い出しながら対話されている姿が印象的でした。
館内見学後に、先生方に感想を聞かせていただきました。
戸倉小学校に赴任して2年目のある先生は、昨年の研修で見たプログラムも覚えているとのことでした。「今年見た新しいプログラムは、より子ども目線で作られていると感じました。単級学校なので、普段からより深く子どもたちとやり取りをしています。今担当している子どもたちとも、また学びに来たいとな思いました。」
岩手県内陸部のご出身だという先生は、震災後にボランティアで何度か沿岸部に来たことがあるそうで、「映像を観たり伝承館に来たりすると、当時のことを思い出します。子どもたちのことも考えますが、それだけではなく自分の地元のことも考えてしまいますね。それに、意外と戸倉のことを知らない子どもたちは多いので、震災のこととあわせて地元戸倉のことも学んでくれたら嬉しいです。」と仰っていました。
館内みんなの広場には、写真家の浅田政志さんと町民のみなさんが一緒にアイデアを出し合いながら作り上げた「みんなで南三陸」という写真集の作品を展示しています。
先生たちがプログラム後に注目してご覧になっていたのが、戸倉かき生産部会の牡蠣漁師さんたちの作品でした。
レギュラープログラム③にも、震災後に戸倉の牡蠣漁師さんたちが取り組んだASC認証取得のエピソードが登場しますが、普段の授業でも戸倉の漁師さんたちに関わっていただくことも多いそうです。「顔の知った漁師さんたちが震災を語る姿も印象的だし、写真の中でにこやかに笑っている表情も素敵ですね。本当に、戸倉のことを多く学べる施設なので、子どもたちとも一緒に来て一緒に考えていきたいと思います。」
プログラムの内容や館内展示を活用して子どもたちがどんな学びができるのか、メモリアルを出る最後の最後まで話が尽きなかった先生方の姿が印象的でした。
子どもたちと日々を共にする先生方が、子どもたちと共に考えるために、少しでもお力になれたら幸いです。
戸倉小学校の先生方、ご来館いただき誠にありがとうございました。
令和6年度9月1日(日) 午前9時から12時まで、「宮城県9.1総合防災訓練」および南三陸町総合防災訓練を実施いたします。
この訓練におきまして、震災復興祈念公園におけるヘリコプターでの救出訓練を実施し、中橋上空をヘリコプターが通過することから、以下の時間帯に震災復興祈念公園への立ち入り禁止および中橋の通行禁止の規制を行います。
➀震災復興祈念公園への立ち入り禁止
日時:令和6年度9月1日(日) 午前10:00~10:40
②中橋の通行禁止
日時:令和6年度9月1日(日) 午前11:15~11:30
この規制に伴い、当日午前の「まちあるき語り部」も実施ができませんので、何卒ご了承ください。
また、訓練実施に伴い、防災行政無線による訓練放送および緊急速報メールの訓練配信を行います。訓練当日に町内にいらっしゃる方の携帯電話・スマートフォンにて一斉に受信される可能性がございます。
防災訓練のための配信となりますので、当日慌てずに行動いただきますよう、お願いいたします。
9月1日にご来町いただくお客様に関しましては、ご理解とご協力をお願いいたします。
南三陸311メモリアルでは、夏休み中期間限定で、『みやぎの復興まちづくりパネル展』を開催いたします。
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<期間> 2024年8月10日(土)~8月23日(金)
<時間> 9時~17時(8月20日休館)
<場所> 館内エントランス
<展示協力> 宮城県土木部 都市計画課 まちづくり推進班
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東日本大震災の記憶や教訓を伝承し、これまで取り組んできた沿岸市町の復興まちづくり状況をご覧いただけます。
8月8日、南三陸町内にある入谷小学校の先生方が、夏休み中の職員研修として、南三陸311メモリアルを訪問されました。
今年1月には入谷小学校の5-6年生が震災学習で訪問してくださいましたが、今回のように職員研修として訪問いただくのは初めてとのこと。
今回の研修先としてメモリアルをお選びいただいたのは、「震災を学ぶと同時に、自分たちが子どもたちに何を伝えていけるのかを考えるきっかけにしたい」という目的からとのことでした。
まず初めに、震災当時に南三陸町役場職員だったスタッフから、この町の防災計画や避難計画がどのような考えで構築されたのか、そして東日本大震災をへて得られた教訓は何かをお伝えしました。
今回の研修では、館内展示とあわせて、今年4月に新しく公開されたラーニングプログラム3「いのちを想う」をご覧いただきました。
大勢の人と避難場所にいるという安心感が危険を察知する感覚を鈍らせてしまうことがあることを学ぶとともに、当時の小中学生や漁師たちの証言から、彼らが被災後をどう生きてきたのかに耳を傾け、考えるためのプログラムです。
南三陸311メモリアルのラーニングプログラムでは、「この状況で、あなたならどうしますか?」という問いかけが参加者に投げかけられます。
ラーニングプログラム3「いのちを想う」では、震災時の実際の避難行動による反省を口にした町民の証言をヒントにした問いかけとなっており、先生方も話し合いながら選択をしていました。
証言映像を観ながら、投げかけられた様々な問いかけについて対話しながら、参加者同士で考え合うというのが、当館のラーニングプログラムの特長です。当時この町で経験したときの様子を話したり、普段の子どもたちの様子を思い出しながら対話されている姿が印象的でした。
ラーニングプログラム終了後に、当時この町で震災を経験された先生から感想を伺いました。
「当時は大学生で、実家で牡蠣むきを手伝っていたときに揺れました。今担当しているのは震災後に生まれてきた子どもたちです。何を伝えられるか、何を考えてもらうべきか、自分の経験も伝えながら考えていけたらと思います。」
南三陸町入谷地区は、町内で唯一海に面していない地区であり、震災時も津波被災がほぼありませんでした。そういった地区で暮らす子どもたちへの震災学習は、海が見える地区の子どもたちへの伝え方とも異なるかと思います。
震災時に南三陸町で被災した先生、近隣市町村で震災を経験した先生、震災後に教師になった先生、震災時は町を離れていた先生。先生それぞれの経験が異なる中で、震災後に生まれた子どもたちと震災をどう考えるのか。
南三陸311メモリアルのラーニングプログラムは、防災や自然災害に対して明確な答えを提示するプログラムではありません。「自分なら、どう判断して行動するか」、それを考えるきっかけをつかんでいただくためのプログラムです。
子どもたちと日々を共にする先生方が、子どもたちとともに考えるために、少しでもお力になれたなら幸いです。
入谷小学校の先生方、ご来館いただきありがとうございました。
南三陸311メモリアルでは、毎月ご来場いただいたお客様を対象に、アンケートを実施しております。
2024年度7月にご回答いただいたアンケートより、お客様にいただいたご意見・ご感想をご紹介いたします。