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10月8日、広島市立舟入高等学校のみなさまが、修学旅行で南三陸311メモリアルへご来館されました。

広島市立舟入高等学校の修学旅行では、北海道・宮城・福島など、いくつかの訪問先から生徒それぞれが希望するコースを選択。宮城県はそのコースの中の1つです。各地の震災遺構や伝承館への訪問、産業復興や震災後のまちづくりの中心を担った方からの講話などを通じて学びます。


南三陸311メモリアルに入ってすぐのエントランスには、震災に関する数字やデータをまとめたパネル・立体地図があります。エントランスでは、震災前の町の海抜から10.8m嵩上げした高さにこのメモリアルが建てられていること、そしてこの施設の天井とほぼ同じくらいの地点に津波が到達したことが、スタッフから開設されました。壁には旧防災対策庁舎を襲った津波の高さ15.5mのラインが示されていて、生徒の皆さんは首を大きく傾けて見上げていました。

 

その後、東日本大震災のエピソードをまとめた展示や証言映像、資料などが並ぶ展示ギャラリーへ進みます。

1人でじっくりと展示パネルを読み込んだり、友達と指を差し合いながら証言映像を眺めたりして、各自で学びを深めていきます。

その奥のアートゾーンでは、クリスチャン・ボルタンスキーのインスタレーション作品「MEMORIAL」を鑑賞。生と死、命の尊厳に向き合いながら作品を作り続けてきたボルタンスキーの思い、そして積み上げられた錆びた缶とそれを照らす白熱灯の灯りから、失われた命を想い馳せます。


今回、メインとなるプログラムは、ラーニングプログラムのレギュラー②「そのとき命が守れるか」を選択されました。


町民の証言映像を視聴し、町の指定避難場所・避難所の多くが津波に襲われた南三陸町の事例から、自然災害が発生すると想定をはるかに超えた事態に直面することがあるということを学びます。

映像では、震災当時中学生・高校生だった証言者たちが、あの日津波に襲われた避難所でどのような避難や対応をしたのかを語ります。プログラム中、いくつかの問いかけや1分間の対話の時間が設けられていて、周りの人と話すことで、自分自身の理解を深め、新たな気づきや考え方を得ることができます。

対話の時間では、「広島って土砂崩れが多い地域だよね」「台風や豪雨災害の時って地震と同じ備えじゃダメじゃない?」「津波がきたら屋上じゃ逃げられないよね」など、知っている知識や気づきと合わせて、様々な感想が飛び交っていました。


館内見学後に感想を伺いました。

ある男子生徒さんは、南海トラフ地震が心配される中で、地震などの対策を考えたいと思って宮城コースを選択されたとのこと。

「印象に残ったのは、第2第3の避難先を考えるという消防士さんの話。一度の避難で安心してしまいそうだが、その先も危険を考え続ける必要があるんだと思いました。」

また、別の女子生徒さんは、「福島の原子力災害のことを学ぶことが多く、宮城の地震や津波のことを学ぶ機会は少なかった」から、今回宮城コースを選択されたそうです。

「印象に残ったのは、中学生自身が人命救助を行ったという話と、それでも人を救えなかったという証言。自分が中学生だったらきっとできなかったと思う。それでもやらなければならない時があるんだと思ったし、そのときに自分は行動できるのか、これからも考えたいです。」

先生にお話を伺うと、東北方面は初めて訪問するとのことで、「自分で選択したコースなので、みんな楽しみにしてきました。広島は平和教育が盛んで、実際の被害状況を伝える施設が多いんですが、自分がどう考えるかを問いかける施設はなかなかありません。とても充実した学びになりました。」と感想をいただきました。


帰り際、将来教員を目指しているという生徒さんが、「知らないこともありましたし、それ以上に考えることがたくさんありました。」と、お話されました。

南三陸311メモリアルは、震災の出来事や教訓を伝えるための施設である以上に、考え続けるためのきっかけを提供することが役割の震災伝承館です。「何が生死の分かれ目になってしまったのか」「自分自身ならどう判断しどう行動するのか」など、答えのない問いを考え続けることが大切だと、私たちは考えています。

今回の学びや気づきが、これからの生活の中で大切なものを守るために活かしていただけたら幸いです。

広島市立舟入高等学校のみなさま、ご来館ありがとうございました。

10月7日、三菱地所コミュニティ株式会社のみなさんが新入社員研修の一環として南三陸町にお越しになり、「今日から実践できる防災1アクションを持ち帰る簡単ワークショップ~南三陸のケーススタディを活かして~」を受講されました。

南三陸町などの地方で研修を行うのは初めてとのことで、東北に初めて足を運んだという方も多くいらっしゃいました。

会社としてのメイン業務はマンションやビルなどの建物管理などに関する業務とのことで、以前から防災に関しては会社としても注力してきたそうです。今回参加された方々も、自治管理組合や住民のみなさんに防災を呼びかけることが業務としては多いとのこと。

今回、南三陸町を研修地として決められたのは、「それに関するマニュアルはありますが、やはり自分の言葉できちんと伝えられるようになってほしい」という目的から。そのために、やはり現地で体験し学ぶ必要があると考え、今回の研修を企画されたそうです。


午前中には、旧戸倉中学校や五十鈴神社など、実際に被災した現場を巡る視察を実施。そのあと、午後からこちらのワークショップを受講されました。

自然災害が発生した際には、携帯電話が使えない、家が被災して戻れないなど、日常では考えられない状況になります。それらの状況を想定したうえで、東日本大震災を経験した住民の証言映像を視聴します。そして参加者でアイデアを共有しながら、家族や個人が今日から実践できる防災アクションを決め、持ち帰っていただくというワークショッププログラムです。

ワークショップの初めに行うのが、「現時点での備え」を書き出すワーク。この時間では、自宅で備えているもの、家族と話し合っていること、職場でのマニュアルなど、「今の自分が備えているもの・こと」を書き出します。

そして、メインとなる証言映像の視聴に進みますが、その前に東日本大震災以後に発生した自然災害の特徴や災害時に明らかになった課題などを、ファシリテーターが解説します。

過去に頻発している水害は河川などの近くで発生するとは限らないという話や、インフラに関する課題が浮き彫りになった状況などの解説が、「もしかしたら自分も同じように被災するかもしれない」という想像に繋がります。

これが「自然災害を自分事にするコツ」として、証言映像の受け止め方や防災1アクションを決める際に活用されます。

証言映像を視聴した後は、そこからの気づきや発見した点をもとに、「新たにやってみようと思った備え」を書き出し、グループで共有します。

今回参加した社員の皆様は、出身や勤務地も様々。グループで話し合う中でも、それぞれの地域の特徴や不安に感じる点などが異なるからか、「なるほど」「そっか、そうだよね」という声も多く聞こえてきました。

そして、最後に各自が持ち帰り実行するための「防災1アクション」を決め、全体発表をして、ワークショップは終了です。

 


ワークショップ終了後に感想を聞かせていただきました。

東京で勤務しているという女性は、『家族と避難場所を確認しておく』という防災1アクションを決めました。

「ワークショップで印象に残ったのは、家族との合流場所を決めなければいけないという点。仕事中に被災したら、家族がバラバラに避難することになります。携帯が使えなかった場合にどこにいるのかわからなくなるため、その場合でも合流できるように避難所を把握して、合流場所を話し合っておきたいです。」

また別の女性は、午前中に訪れた南三陸町戸倉地区の五十鈴神社でのエピソードが印象に残っているとのこと。こちらの方も、「避難経路の確認、避難場所の確認」を防災1アクションとして決めていました。

「仕事中に被災して家族が心配になっても、自分は仕事を離れられない。その場合でもきちんと事前に話し合って確認しておけば安心だし、不安感も取り除けると思います。また、自宅でペットを飼っているので、そのペットと一緒に避難できる場所も把握しておきたいです。」とのことでした。


防災1アクションを決めるワークの時間に、ファシリテーターから「どんな小さなことでも構いません。実際に実行できるかどうかがカギです。」と声がかかりました。

研修で終わらせるのではなく、自分が今暮らす地域に戻ってから実際にアクションを起こしてほしい。どんなに小さなことでも、実際に行動し積み重ねていくことが、自分の命や大切なものを守ることにつながるはず。

南三陸311メモリアルでは、そんな願いも込めて、このワークショップを提供しています。

これからの仕事や暮らしの中で、今回の研修で学んだことが自身の防災に活かしていただけたら幸いです。

 

三菱地所コミュニティ株式会社のみなさま、お越しいただきありがとうございました。

南三陸311メモリアルでは、毎月ご来場いただいたお客様を対象に、アンケートを実施しております。

2024年度9月にご回答いただいたアンケートより、お客様にいただいたご意見・ご感想をご紹介いたします。

 

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実施期間:2024年9月1日(日)~9月30日(月)

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南三陸311メモリアルは、2024年10月1日に開館2周年を迎えました。

この度、来館者よりご回答いただいた約2,000件のアンケートを公開したプレスリリースを発表いたしました。

【南三陸311メモリアル】ラーニングプログラム体験者3万人以上、満足度93.4% 来館者アンケートを公開

 

当館は、開館以来23万人以上の方々にお越しいただき、約3万人のお客様にラーニングプログラムを体験いただきました。

これまで回答いただいた2000件以上のアンケートより、実際のお客様の感想・コメントを踏まえ、今後もより良い震災伝承・防災教育・施設運営に努めてまいります。

2024年10月1日、南三陸311メモリアルは開館から2周年を迎えます。

この度の2周年を記念して、ご来場のお客様へ特別企画をご用意いたしました!


①10月1日(火) 特別開館

当館は毎週火曜日が通常休館日ですが、この日は特別開館いたします。ラーニングプログラムをはじめ、館内のコンテンツガイドも行いますので、ぜひお越しください。

開館時間:9時~17時

 


②2周年記念オリジナルノベルティをプレゼント!

館内のラーニングプログラムを体験したお客様、先着100名様にオリジナルノベルティをプレゼントいたします。

地元名産の南三陸杉でつくったオリジナルキーホルダーです!南三陸でがんばる人を応援するキャラクター「オクトパス君」がひょこっと現れて、2周年をお祝いしてくれています。


③南三陸町民のみなさま対象!毎月11日は町民無料デイ!

毎月11日は「南三陸町安全安心の日」。それに合わせ、毎月11日は町民のみなさまであれば無料でご利用いただけます。

日頃の備え、そして次世代に語り継ぐためにも、ぜひご利用ください。

※ご入場の際に受付スタッフにお申し付けください。


今後とも多くの皆様のご来場を心よりお待ちしております。

2024年10月1日、南三陸311メモリアルは開館から2周年を迎えることができました。

2022年10月1日の開館以来、今日に至るまで23万人を越える皆様にご来館いただき、約3万人の方々にラーニングプログラムを体験いただきました。皆様に心より感謝申し上げます。

東日本大震災の発生から13年以上の月日が経過し、その間にも日本各地で様々な自然災害が発生しております。
過去の災害から事実や教訓を知り、自分事として考えることは、未来の防災・減災につながります。

南三陸311メモリアルでは、地震・津波を経験した南三陸町での事実・経験・教訓を伝え続けながら、「自分が自然災害に直面したら、どう判断し行動するか」を考えるきっかけを、これからも変わらずに提供いたします。

今後とも多くのみなさまのご来館を、スタッフ一同心よりお待ちしております。

 

9月25日、石川県立寺井高等学校のみなさんが南三陸町にお越しになり、「語り部による学びのプログラム」を受講されました。

今回受講された「語り部による学びのプログラム」は、震災講話とバスでの町内視察を組み合わせた、南三陸町観光協会が震災直後の2011 年より提供している団体向けのツアープログラムです。

被災者の語りに耳を傾け、実際に被災地の現場に立つ体験型学びのプログラムでは、震災前の町の様子から被害状況、語り部自身の体験談や今の想いをお伝えします。

今回、震災学習を目的として訪問先に東北を選んだとのことですが、旅程を決定したあと、1月1日に能登半島地震が発生。そのため、「災害直後の課題や教訓に加えて、復興のプロセスの中でどのような役割が発揮できるかを考えたい」と、先生方はおっしゃっていました。


まずは全体で震災講話を受講します。今回講話でお話いただいたのは、2011年当時高校2年生だった佐藤慶治さんです。

発災当時は家族が町内で別々の場所に避難したこと、地震の際にいた志津川少年自然の家で避難された方々に対応したこと、そして南三陸町で家業を継ごうと決心した際に祖父から言われたこと。

さらに、当時高校生だった佐藤さんが目の前で戸惑っている大人たちに何を感じたのか、なぜ今地元で仕事をしているのかなど、震災の体験を振り返るだけでなく、佐藤さん自身の目線で感じる南三陸町の復興まちづくりのお話もされました。


講話のあとには、バスで町内の被災現場を巡りながら語り部を聞く「バス語り部」が始まります。

講話会場を出発し、約22mの津波が到達した旧戸倉中学校、43名が犠牲になった旧防災対策庁舎が遺されている震災復興祈念公園などを巡りました。

津波の実際の脅威を目の当たりにしたり避難所の様子を聞いたりすると同時に、友達と通っていた学校のこと、卒業式の直前だった3月のことなど、当たり前にあった生活が突然失われた事実も目の当たりにしていました。

今では、311メモリアルや南三陸さんさん商店街があるエリアから見下ろせる場所に、旧防災対策庁舎があります。震災前の町は、この旧防災対策庁舎と同じ高さの土地に広がっていたということが、実際に隣に立つことで実感できます。

講話で話していた内容に加え、実際に被災現地に立つことで震災後のまちづくりや防災への考え方をより深めることができたようでした。

受講した後に、生徒さんたちに感想を伺いました。

「旧戸倉中学校や旧防災対策庁舎を見て、当時の様子が想像できて、本当にすごい災害だったんだと実感できました。能登も大変なことになっているので、今日お話しいただいたことを、これからの防災に活かしていきたいです。」

「庁舎の隣で、語り部さんから『まず自分の命を守ること、それができてから人の命を守れるんだよ』と話してもらったことが、印象に残っています。講話の中でも、高校生が避難所で対応した話があったので、自分も何ができるのかを考える時間になりました。」


1月1日に発生した能登半島地震、そしてつい先日発災した豪雨災害。

重なる自然災害の被災地となった能登半島と同じい石川県で暮らす生徒さんたちにとって、今回南三陸町で考えたことや気づいたこと、現地を歩いて感じたことが、これからの防災への意識や日常に変化を与えるきっかけになりましたら幸いです。

石川県立寺井高等学校のみなさん、お越しいただきありがとうございました。

南三陸311メモリアルでは、7月24日(水)より「南三陸みんなのきりこプロジェクト」による特別企画展を開催しております。

9月18日(水)からは展示作品を変更し、後半の展示が始まりました。

 

 

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主催:ENVISI

会期:9月18日(水)~11月4日(月) ※会期中に一部きりこの展示替えがあります

会場:南三陸311メモリアル、南三陸町内の各お店や事業所内

開館時間:9時~17時/火曜休館

※南三陸311メモリアルは みんなの広場・エレベーター前に展示いたします

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昨年度メモリアル館内にて展示したきりこですが、今年度は「南三陸みんなのきりこプロジェクト」として、南三陸町内にある様々なお店や事業所にもきりこを展示いたします。

 

この「南三陸みんなのきりこプロジェクト」は、2010年夏に女性たちの目線で観光活性化を図る取り組みの一環として、町の産業振興課(当時)がボランティア団体ENVISIとともに始めたプロジェクトです。( 詳細はこちらからご覧ください )

東日本大震災を経てもなお、このプロジェクトは続けられてきました。2024年は町中の皆様にご協力を得て、これまでに制作してきたきりこを展示いたします。

また、展示されている場所をめぐるためのオリジナルマップをご用意いたしました。マップは南三陸311メモリアル館内や各展示場所にて配布しています。

 

マップを片手に町の記憶を探索しながら、南三陸で「きりこ散歩」しませんか?

ぜひご来館をお待ちしております。

9月8日(日)、茨城県の常磐大学で活動されている学生団体「TRICOROL」の皆さまがご来館されました。

 

「TRICOROL」の皆さまは、地域での子ども支援や、震災復興支援などの活動をされています。今回は、被災地の現状から防災への理解を深めること、ラーニングプログラムを通していざというときの判断や行動について自分ごととして考えること、 そして防災に関する新たな学びを考えることを目的に、南三陸町へ訪問されたとのこと。

今回ご覧いただいたラーニングプログラムは、レギュラープログラム➀「生死を分けた避難」です。

東日本大震災当時、生死の分かれ目に直面した住民たちの証言映像をもとに、人々はどう行動し、町外との連絡がすべて途絶えた中で厳寒の夜をどのように過ごしたのかを知り、自然災害から命を守るために求められる究極の備えとは何かを、参加者同士で語り合いながら考えます。


終了後には、参加された皆さんの多くが満足されたそうで、「ラーニングプログラムについては被災者の生の声をまじかで聞いているような感じがした」「私たちが考えていたものより学ぶことが多く、参加してよかった」と、参加された皆さんはお話されていいました。

代表の方からは、「今回は避難行動について学ぶプログラムに参加しました。参加する前は、災害による避難行動は決まっているものであり避難訓練で行ったとおり行動すればいいなどと考えていましたが、プログラムを通して、災害の種類によって避難行動は変えなくてはいけないこと、その場の災害状況の度合いによって自らの判断で行動しなきゃいけないことを知ることができました。」と感想をいただきました。

TRICOROLのみなさま、ご来館いただきありがとうございました。

9月11日(水)、共立女子大学の皆さまが来館されました。

      

共立女子大学様は、2019年に南三陸町と連携協定を締結されました。

町内の志津川中学校や歌津中学校での地域資源を課題活用したPBL(課題解決型授業)「1日レストラン」、PBL社会連携プログラム 南三陸町フィールドワーク、南三陸産の食材を活用した学食メニューの提供など、これまでにも様々な取り組みをされています。

これまでの取り組みの様子はこちらからご覧ください

今回の訪問も、午前中に志津川中学校での「1日レストラン」実施後にご来館されました。


今回の来館でご覧いただいたのは、ラーニングプログラム③「いのちを想う」です。

 

このプログラムは、大きく3つのエピソードで構成されています。多くの地域住民と共に指定避難所へ逃げ込んだ町民が「安心」したことから得られた教訓、当時の小中学生が被災後をどう生きてきたのか、あの日を振り返って感じるもの、そして漁業関係者たちが失意のどん底から立ち上がり歩んできた過程と現在。災害時の様子を知るだけではなく、その被災を乗り越えてきた町民の証言から、人間は何を大切にして日々を生きるべきかに思いを馳せ、「いのちを想う」内容となっています。

南三陸311メモリアルのラーニングプログラムでは、「この状況で、あなたならどうしますか?」という問いかけが参加者に投げかけられます。

レギュラープログラム3「いのちを想う」では、震災時の実際の避難行動による反省を口にした町民の証言をヒントにした問いかけとなっており、参加された学生さんたちはその理由を考えながら対話を重ねていました。

証言映像を観ながら、投げかけられた様々な問いについて対話しながら、参加者同士で考え合う時間が、当館のラーニングプログラムの特長です。

館内の見学後に、参加された皆さんに感想を聞きました。

「前回来たときにはラーニングプログラムが見れなかったので、今回ようやく見ることができました。背筋が伸びる思いでしたが、映像やインタビューから、当時の緊迫さや生きることへの思いが伝わってきました。」

「当時は小学生で、映像で見ていただけでした。南三陸に来るのは初めてですが、旧防災対策庁舎など現地に来ないと感じないものが多い気がします。自分の人生と向き合ういい機会になりました。」

 

午前中に志津川中学校で実施した「1日レストラン」では、美味しい食材がたくさんある町だと感じたそうです。志津川湾の海のめぐみを受ける一方、時には自然災害という脅威となって、多くのものを奪い去っていきました。海とともに暮らしていくこの町での豊かさと厳しさ。今回の訪問でその両面を感じていただけたようでした。

 

共立女子大学のみなさま、ご来館いただき誠にありがとうございました。

9月6日(金)、南三陸311メモリアルに、台湾P.リーグ+所属のプロバスケットボールチーム「FORMOSA DREAMERS(フォルモサ・ドリーマーズ)」が来館しました。

メインコンテンツであるラーニングプログラム体験などを通じて、震災復興支援から続く台湾と南三陸町との繋がりや復興の歩みなどを見学されました。


【概要】

日程:2024年9月6日(金)

訪問者:台湾プロバスケットボール「P.リーグ+」所属 FORMOSA DREAMERS(フォルモサ・ドリーマーズ) 選手・スタッフの皆様

株式会社仙台89ERS 代表取締役社長 志村雄彦様 スタッフの皆様


【来訪の経緯】

南三陸町は、東日本大震災後より台湾をはじめとした世界各地から多大な支援を受け、復興に取り組んで参りました。

また、南三陸町東日本大震災伝承館「南三陸311メモリアル」は2022年に開館し、仙台89ERS様は志村雄彦社長をはじめ多くの選手の皆さまに毎年ご来館いただいております。

こうした背景により、この度のクラブ創立20周年記念国際親善試合翌日のエクスカーションとして、台湾フォルモサ・ドリーマーズの皆さまに訪問いただくことが決まりました。

6日当日、選手の皆さまは町内志津川保育所での歓迎セレモニーで子どもたちと交流し、台湾からの多大な支援を受け再建された南三陸病院や震災遺構旧防災対策庁舎などを訪問。南三陸町からは震災直後の町の状況、復興を進めるにあたってご支援いただいた台湾の皆さまへの感謝、そして13年経過した今の町の様子などをお伝えしました。


【当日の様子】

今回ご覧いただいたラーニングプログラムは、再建前の公立志津川病院で被災された町民の証言映像を中心にしたプログラム「助かった命を守る」です。

病院での入院中に震災を経験し、病院の窓からご実家が流されていく様子、津波に飲まれた自動車に乗っていた女性が沈んでいく様子を目の当たりにした方の証言を、選手やスタッフの皆さまは固唾を飲んでまっすぐにご覧になっていました。

南三陸311メモリアルのラーニングプログラムでは「あなたならどう考えるか」を問いかけ、その問いについて参加者同士で対話しながら考えあう時間が特長となっています。今回の話し合いの中でも、普段あまり考えることのないテーマを話し合い、選手同士も明確な答えが出せない様子でした。

ラーニングプログラム体験後、フォルモサ・ドリーマーズ 林俊吉(リン・ジュンジ―)選手に感想をお聞きしました。

Q:先ほどのラーニングプログラムをご覧になって、台湾も地震の多い国だと思いますが、どのように感じましたか?

「映像をみると、強く生きる、諦めないことに強く感動しました。台湾でも、津波はそこまで大きくはなかったけど、台風などの災害もあります。自分自身も経験しました。でも、映像ほどの被害はなかったです。」

Q:今回の宮城県への訪問で最も学びになったのはどんなことですか?

「私はビルが立ち並ぶような大都会よりも、自然が豊かな地域の方が好きです。今回一番学んだのは、3.11のような震災があった後にも、復興に向けて前進できる皆さんの強い精神を学びました。」


【台湾と南三陸町のつながり】

南三陸町と台湾との交流のきっかけは、東日本大震災にさかのぼります。南三陸町は、市街地を襲った津波により、町内唯一の総合病院である公立志津川病院を失いました。町内に病院がない状態が続くことにより多くの町民が町外に移り住むこととなりました。

地域の暮らしを支える医療・福祉体制の早期復旧は、多くの町民が待ち望む最優先事項でしたが、病院再建は費用面を含め、大きなハードル・課題を抱えていました。そのような中で手を差し伸べてくれたのが台湾の方々です。

台湾赤十字(紅十字會)を通じて、病院再建の総事業費費用56億円のうち、約4割にあたる約22億2千万円の義援金が寄せられ、2015年12月に医療と福祉機能を備えた「南三陸病院・総合ケアセンター南三陸」を再建することができました。

再建された南三陸病院の敷地内には、台湾への感謝の気持ちを表す記念碑が建てられています。

その後も、台湾の高校生の教育旅行や大学生の日本語研修・インターンシップでの受け入れ、町内学生の台湾訪問研修の実施など、台湾からの支援を一時的なもので終わらせず、将来に渡る相互交流に繋げてまいりました。

台湾の学生たちが来町した際には、震災・防災学習の一環として南三陸311メモリアルでのラーニングプログラム体験、南三陸病院や旧防災対策庁舎の訪問などを実施しております。


 

選手・スタッフのみなさま、仙台89ERSの志村社長、ご来館いただきありがとうございました。

南三陸311メモリアルでは、毎月ご来場いただいたお客様を対象に、アンケートを実施しております。

2024年度8月にご回答いただいたアンケートより、お客様にいただいたご意見・ご感想をご紹介いたします。

 

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実施期間:2024年7月1日(月)~7月31日(水)

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8月27日(火)、南三陸311メモリアルを会場に、「南三陸みんなのきりこ」鑑賞&交流会を開催いたしました。

今回の交流会は、メモリアルをはじめ町内50ヵ所できりこを展示する「南三陸みんなのきりこプロジェクト」の一環として開催。

※南三陸みんなのきりこプロジェクトの詳細はこちら

入谷地区や歌津地区から、約30名のみなさまにお集まりいただき、作品制作当時の思い出や、震災前の町の思い出などを語り合いました。

今回ガイドを務めていただいたのは、「南三陸みんなのきりこプロジェクト」を主催するENVISI代表の吉川由美さん。

吉川さんより、自身と南三陸町との関わり、きりこをモチーフにしたアートプロジェクトのこれまでの歩み、そして様々なきりこを制作した当時の思い出などをお話いただきました。

歌津地区の三浦静江さんのきりこには、伊里前で営んでいた熊三商店の屋号と位牌などが描かれています。歌津の伊里前にあった熊三商店には、津波で鉄骨だけが残された建物に、不思議とまわりの家々の位牌が集まってきたという逸話が紹介されました。

また、伊勢神宮とのつながりもある戸倉地区の五十鈴神社で別当を務めてきた佐藤あき子さんのきりこには、真ん中に大きな鏡が描かれています。これは、自宅に保管していた大事な御鏡を、震災一週間前に神社に移したため津波でも流されずに無事だったというエピソードからでした。

じっくりときりこにまつわる話を聞いたり、懐かしい思いで話に花を咲かせながら、震災前の暮らしや思い出を自由に語り合いました。

今回の交流会開催にあたりご協力いただきました南三陸町社会福祉協議会のみなさま、お集まりいただいたみなさま、誠にありがとうございました。

8月21日、夏休み中の教員研修として、南三陸町内にある戸倉小学校の先生方が南三陸311メモリアルを訪問されました。

昨年に続き2回目の教員研修ですが、新しく赴任された先生や町外から通っていらっしゃる先生も多いため、あらためて震災のことや地元の戸倉地区のことを学びたいという目的で、今年もご来館いただきました。

まず初めに、震災時の南三陸町の概況や防災対策庁舎の建設理由、東日本大震災時にチリ地震津波からの教訓がどう生かされたのかなどを、エントランスでお話ししました。

メインとなるラーニングプログラムは、4月に公開されたレギュラープログラム3「いのちを想う」をご覧いただきました。

大勢の人と避難場所にいるという安心感が危険を察知する感覚を鈍らせてしまうことがあることを学ぶとともに、当時の小中学生や漁師たちの証言から、彼らが被災後をどう生きてきたのかに耳を傾け、考えるためのプログラムです。

南三陸311メモリアルのラーニングプログラムでは、「この状況で、あなたならどうしますか?」という問いかけが参加者に投げかけられます。

レギュラープログラム3「いのちを想う」では、震災時の実際の避難行動による反省を口にした町民の証言をヒントにした問いかけとなっており、先生方もその理由を考えながら対話を重ねていました。

証言映像を観ながら、投げかけられた様々な問いについて対話しながら、参加者同士で考え合うというのが、当館のラーニングプログラムの特長です。当時この町で経験したときの様子を話したり、普段の子どもたちの様子を思い出しながら対話されている姿が印象的でした。

館内見学後に、先生方に感想を聞かせていただきました。

戸倉小学校に赴任して2年目のある先生は、昨年の研修で見たプログラムも覚えているとのことでした。「今年見た新しいプログラムは、より子ども目線で作られていると感じました。単級学校なので、普段からより深く子どもたちとやり取りをしています。今担当している子どもたちとも、また学びに来たいとな思いました。」

岩手県内陸部のご出身だという先生は、震災後にボランティアで何度か沿岸部に来たことがあるそうで、「映像を観たり伝承館に来たりすると、当時のことを思い出します。子どもたちのことも考えますが、それだけではなく自分の地元のことも考えてしまいますね。それに、意外と戸倉のことを知らない子どもたちは多いので、震災のこととあわせて地元戸倉のことも学んでくれたら嬉しいです。」と仰っていました。


館内みんなの広場には、写真家の浅田政志さんと町民のみなさんが一緒にアイデアを出し合いながら作り上げた「みんなで南三陸」という写真集の作品を展示しています。

先生たちがプログラム後に注目してご覧になっていたのが、戸倉かき生産部会の牡蠣漁師さんたちの作品でした。

レギュラープログラム③にも、震災後に戸倉の牡蠣漁師さんたちが取り組んだASC認証取得のエピソードが登場しますが、普段の授業でも戸倉の漁師さんたちに関わっていただくことも多いそうです。「顔の知った漁師さんたちが震災を語る姿も印象的だし、写真の中でにこやかに笑っている表情も素敵ですね。本当に、戸倉のことを多く学べる施設なので、子どもたちとも一緒に来て一緒に考えていきたいと思います。」

プログラムの内容や館内展示を活用して子どもたちがどんな学びができるのか、メモリアルを出る最後の最後まで話が尽きなかった先生方の姿が印象的でした。

子どもたちと日々を共にする先生方が、子どもたちと共に考えるために、少しでもお力になれたら幸いです。

戸倉小学校の先生方、ご来館いただき誠にありがとうございました。

令和6年度9月1日(日) 午前9時から12時まで、「宮城県9.1総合防災訓練および南三陸町総合防災訓練を実施いたします。

この訓練におきまして、震災復興祈念公園におけるヘリコプターでの救出訓練を実施し、中橋上空をヘリコプターが通過することから、以下の時間帯に震災復興祈念公園への立ち入り禁止および中橋の通行禁止の規制を行います。

➀震災復興祈念公園への立ち入り禁止

日時:令和6年度9月1日(日) 午前10:00~10:40

②中橋の通行禁止

日時:令和6年度9月1日(日) 午前11:15~11:30

この規制に伴い、当日午前の「まちあるき語り部」も実施ができませんので、何卒ご了承ください。

 

 

また、訓練実施に伴い、防災行政無線による訓練放送および緊急速報メールの訓練配信を行います。訓練当日に町内にいらっしゃる方の携帯電話・スマートフォンにて一斉に受信される可能性がございます。

防災訓練のための配信となりますので、当日慌てずに行動いただきますよう、お願いいたします。

9月1日にご来町いただくお客様に関しましては、ご理解とご協力をお願いいたします。

南三陸311メモリアルでは、夏休み中期間限定で、『みやぎの復興まちづくりパネル展』を開催いたします。

 

 

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<期間> 2024年8月10日(土)~8月23日(金)

<時間> 9時~17時(8月20日休館)

<場所> 館内エントランス

<展示協力> 宮城県土木部 都市計画課 まちづくり推進班

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東日本大震災の記憶や教訓を伝承し、これまで取り組んできた沿岸市町の復興まちづくり状況をご覧いただけます。

皆様のご来場を心よりお待ちしております。

8月8日、南三陸町内にある入谷小学校の先生方が、夏休み中の職員研修として、南三陸311メモリアルを訪問されました。

今年1月には入谷小学校の5-6年生が震災学習で訪問してくださいましたが、今回のように職員研修として訪問いただくのは初めてとのこと。

今回の研修先としてメモリアルをお選びいただいたのは、「震災を学ぶと同時に、自分たちが子どもたちに何を伝えていけるのかを考えるきっかけにしたい」という目的からとのことでした。


まず初めに、震災当時に南三陸町役場職員だったスタッフから、この町の防災計画や避難計画がどのような考えで構築されたのか、そして東日本大震災をへて得られた教訓は何かをお伝えしました。

今回の研修では、館内展示とあわせて、今年4月に新しく公開されたラーニングプログラム3「いのちを想う」をご覧いただきました。

大勢の人と避難場所にいるという安心感が危険を察知する感覚を鈍らせてしまうことがあることを学ぶとともに、当時の小中学生や漁師たちの証言から、彼らが被災後をどう生きてきたのかに耳を傾け、考えるためのプログラムです。

南三陸311メモリアルのラーニングプログラムでは、「この状況で、あなたならどうしますか?」という問いかけが参加者に投げかけられます。

ラーニングプログラム3「いのちを想う」では、震災時の実際の避難行動による反省を口にした町民の証言をヒントにした問いかけとなっており、先生方も話し合いながら選択をしていました。

証言映像を観ながら、投げかけられた様々な問いかけについて対話しながら、参加者同士で考え合うというのが、当館のラーニングプログラムの特長です。当時この町で経験したときの様子を話したり、普段の子どもたちの様子を思い出しながら対話されている姿が印象的でした。

ラーニングプログラム終了後に、当時この町で震災を経験された先生から感想を伺いました。

「当時は大学生で、実家で牡蠣むきを手伝っていたときに揺れました。今担当しているのは震災後に生まれてきた子どもたちです。何を伝えられるか、何を考えてもらうべきか、自分の経験も伝えながら考えていけたらと思います。」


南三陸町入谷地区は、町内で唯一海に面していない地区であり、震災時も津波被災がほぼありませんでした。そういった地区で暮らす子どもたちへの震災学習は、海が見える地区の子どもたちへの伝え方とも異なるかと思います。

震災時に南三陸町で被災した先生、近隣市町村で震災を経験した先生、震災後に教師になった先生、震災時は町を離れていた先生。先生それぞれの経験が異なる中で、震災後に生まれた子どもたちと震災をどう考えるのか。

南三陸311メモリアルのラーニングプログラムは、防災や自然災害に対して明確な答えを提示するプログラムではありません。「自分なら、どう判断して行動するか」、それを考えるきっかけをつかんでいただくためのプログラムです。

子どもたちと日々を共にする先生方が、子どもたちとともに考えるために、少しでもお力になれたなら幸いです。

 

入谷小学校の先生方、ご来館いただきありがとうございました。

南三陸311メモリアルでは、毎月ご来場いただいたお客様を対象に、アンケートを実施しております。

2024年度7月にご回答いただいたアンケートより、お客様にいただいたご意見・ご感想をご紹介いたします。

 

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実施期間:2024年7月1日(月)~7月31日(水)

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南三陸311メモリアルでは、7月24日(水)より「南三陸みんなのきりこプロジェクト」による特別企画展を開催いたします。

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主催:ENVISI

会期:7月24日(水)~11月4日(月) ※会期中に一部きりこの展示替えがあります

会場:南三陸311メモリアル、南三陸町内の各お店や事業所内

開館時間:9時~17時/火曜休館(8/13特別開館)

※南三陸311メモリアルは みんなの広場・エレベーター前に展示いたします

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昨年度メモリアル館内にて展示したきりこですが、今年度は「南三陸みんなのきりこプロジェクト」として、南三陸町内にある様々なお店や事業所にもきりこを展示いたします。

この「南三陸みんなのきりこプロジェクト」は、2010年夏に女性たちの目線で観光活性化を図る取り組みの一環として、町の産業振興課(当時)がボランティア団体ENVISIとともに始めたプロジェクトです。( 詳細はこちらからご覧ください

東日本大震災を経てもなお、このプロジェクトは続けられてきました。2024年は町中の皆様にご協力を得て、これまでに制作してきたきりこを展示いたします。

また、展示されている場所をめぐるためのオリジナルマップをご用意いたしました。マップは南三陸311メモリアル館内や各展示場所にて配布しています。

マップを片手に町の記憶を探索しながら、南三陸で「きりこ散歩」しませんか?

ぜひご来館をお待ちしております。

多くのみなさまのご協力を賜り、誠にありがとうございました。

この度の募金では、合計56,524円が集まりました。

皆さまからお寄せいただいた募金は、南三陸町役場を通じて台湾現地へ届けていただきました。

この度はご協力いただき、誠にありがとうございました。

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この度の地震により被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。

令和6年4月3日 午前8時58分ごろに台湾東部花蓮県で発生した地震により、甚大な被害が発生しています。

南三陸311メモリアルでは、これらの状況を受け、本日より令和6年台湾花蓮地震 災害義援金の受付を開始いたしました。

主に被災者への義援金としての寄付、状況により復旧・復興のための支援活動に使わせていただきます。

館内受付カウンターにて、募金箱を設置しておりますので、ご支援・ご協力をよろしくお願いいたします。

2024年7月14日に、スズケングループ労働組合連合会の皆さまが、南三陸311メモリアルに来館されました。

今回、連合会としての総会に合わせて南三陸町で研修をされるとのことで、メモリアルの展示見学とラーニングプログラム、震災当時高校生だった方の語り部を聞くプログラムを受講されました。

館内入ってすぐのエントランスには、震災に関する数字やデータをまとめたパネル・立体地図があります。スタッフより、自分達が今立っている場所は震災後に10.8m嵩上げした土地であること、そしてこの施設の天井とほぼ同じくらいの地点に津波が到達したことをお伝えしました。また、旧防災対策庁舎を襲った津波の高さ15.5mのラインが壁に示されており、首を大きく傾けて見上げながら「想定外」の事実を目の当たりにしました。

その後、東日本大震災のエピソードをまとめた展示や証言映像、資料などが並ぶ展示ギャラリーへ進みます。旧防災対策庁舎の屋上で生存した方々の証言映像では、全員が食い入るように視聴していました。

ラーニングプログラムでご覧いただいたのは、「そのとき命が守れるか」というレギュラープログラムです。

震災時に、町内の指定避難所・避難場所の多くが津波に襲われたという南三陸町の事例から、自然災害発生時には想定をはるかに超えた事態に直面する可能性があるということを学びます。

震災当時中学生・高校生だった証言者たちが、あの日津波に襲われた避難所でどのような避難や対応をしたのか。そして消防士として人命救助にあたる職務についていた方々が、震災を経て「自分の命を守る」ということの意味をどのように捉え直したのか。

プログラム中には教訓から得られた問いかけと、参加者同士での対話の時間が設けられています。それらを通じて、新たな気づきや考えを手にすることができるのが、ラーニングプログラムの特長です。

最後に、参加された方々の感想をご紹介します。

福島から参加された方は、「こんなに自分で考えさせられるプログラムは初めてでした」と、多くの気づきがあったとのことでした。

「普段薬局などに関わることも多く、店舗にいる際にスタッフを先に避難させることもあります。その際に、自分自身の避難行動も考えておかなければいけないんだと気づかされました。」

名古屋から参加された方は、「被災された方々の映像は、正直心苦しいものがありました」とのことで、自分の命を守るということを深く考える時間になったとのことです。

「医療や福祉などの分野で働くエッセンシャルワーカーが多い企業。自分の命を守ることで、薬を必要とする人に届けられたり、介護福祉を必要とする人をサポートできたり、そうやって医療を必要とする方々の命を守ることにつながるんだと思いました。」

スズケングループ様は、医薬品卸売事業や介護福祉事業、ヘルスケア製品開発など、広く医療分野に関わる事業を展開する企業様ということもあり、「人を助ける」ということを強く意識する仕事が多いとのことです。そういった企業活動の中に、南三陸町をはじめ、東日本大震災被災地の教訓を生かしていただけたら幸いです。

ご来館いただき、誠にありがとうございました。