河北新報社さんの復興支援企画「今できることプロジェクト」。その取り組みの一環で、次世代への伝承啓発のために5年前から震災伝承新聞の制作に取り組まれています。
震災の記憶を持ち合わせていない中学生が宮城県内の被災地を訪れ、あの日から今に至る歩みを学び、発信する企画です。
今年度、南三陸町を訪問して取材に挑戦されたのは、聖ウルスラ学院英智中学校の7名のみなさん。
南三陸ホテル観洋さん、戸倉SeaBoysさん、そして南三陸311メモリアルを取材し、記事にしていただきました。
「被災地に足を運んで学ぶことの重要さを実感した1日でした。」
「私たちが想いを受け継ぎ、伝えていくべきだと思いました。」
取材後の感想では、それぞれが感じたこと、同世代へ伝えたいメッセージが、思いを込めて書かれています。
震災の記憶と教訓を、世代を超えて未来へ。
聖ウルスラ学院英智中学校のみなさま、河北新報社の皆様、取材いただき本当にありがとうございました。
実際の新聞紙面もメモリアル館内で配布しております。
ぜひお手に取ってご覧ください。
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河北新報社 今できることプロジェクト
「震災伝承新聞」2025年2月11日発行
無断転載禁
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南三陸311メモリアルでは、3月29日(土)に「南三陸カルチャーフェスティバル」として、ライブイベント「キャンドルナイト」と映画「さよならほやマン」の上映会を開催いたします。
『南三陸カルチャーフェスティバル』は音楽や映画など、世代を超えて参加し、思いを共有できる文化的なイベントを通じて、町内外の方が集まり、つながりが生まれる・深まる機会となることを願って企画しました。
懐かしい音楽と柔らかく灯るキャンドル、そして笑って泣ける映画。
町民のみなさま、町外から訪れるみなさまと一緒に、あたたかく優しい時間を過ごしたいと思っております。
<CandleNight 今夜だけは>
東日本大震災を経験した県内ミュージシャンとキャンドルアーティストが集結し、2017年よりスタート。
世代を問わず親しまれるカバー曲を中心としたライブと、キャンドルの灯りで過ごす無料イベントです。
これまで、気仙沼、七ヶ浜、亘理など主に沿岸部で開催。学校の防災授業などでもライブを行っています。
震災を経験した大人も、経験していない子ども達も一緒に、あの日に思いを寄せるとともに、未来に向けて希望を感じられるようなあたたかなライブイベントです。
※荒天時は屋内会場へ変更の予定です。
◇公式サイト:キャンドルナイト 今夜だけは
◇公式Instagram :@candle_night_konyadakewa
◇会場:南三陸311メモリアル前
◇開場:16:30 開演:17:00
◇料金:無料
◇出演アーティスト
中村マサトシ(Vo,AG):@nakamura_masatoshi /永井健(Vo,Cho):@neonagai_ken /畠山有希(Vo,Cho):@epi_yuki /アキタユウタ(Vo,Cho):@akita0527yuta /守谷悟(Bass):@mori.yasatoru /村上健太(EG,Cho):@kenta_wakamemusic /齋藤めぐむ(Key):@megmusic1980 /ATSUSHI(caj,per):(X) @Shampoo1214 /Keita Candle(Candle Artist):@keita6candle9
<映画『さよならほやマン』上映会>
2023年県内外で上映、様々な著名人からも絶賛された石巻市出身の庄司輝秋監督の作品。石巻の離島を舞台にし、震災で両親を亡くした漁師の兄弟が主人公です。
島から殆ど出たことがない兄弟が、島の外から来た漫画家の女性との共同生活によって少しずつ環境や考え方が変わっていき、自身のトラウマと向き合い成長していく姿は、きっと観る人の心に希望を与えます。
◇作品公式サイト:映画 さよならほやマン
◇定員:30名 こちらの予約フォームよりお申込みください。(入場無料)
◇会場:南三陸311メモリアル内ラーニングシアター
◇開場:18:00 開演:18:30
主催:南三陸YYProject
協力:一般社団法人南三陸町観光協会
後援:南三陸町、南三陸町教育委員会
町内外問わず、たくさんの方々にご参加いただけることを楽しみにしております。
せひお越しください!
南三陸311メモリアルでは、3月12日(水)に朗読劇公演『あの日その前その後』を開催いたします。
今回公演を行っていただくのは、毎年南三陸町で朗読劇公演を行っている「ごきげん一家」さんです。
< 公式HP:ごきげん一家 >
公式HPより~~~
年代も性別も様々な宮城県南三陸町民の震災体験と復興の歩みをヒアリングし、朗読劇の形で表現するプロジェクト。
プロジェクトがスタートした2020年から2年間をかけて30名ほどから直接お話を聴かせていただき、新たにテキストを書き加えることは一切せずに語られた言葉だけで紡いだ脚本です。
あの日をただじっくりと思い出すための、安心安全な機会として。私たちが暮らす"日本"で起きたことを知る機会として。
南三陸の方々の想いと共に語り継いでいます。
<公演詳細>
日時:2025年3月12日(水) 18:30開場 19:00開演
場所:南三陸311メモリアル ラーニングシアター
定員:30名
参加無料
申し込みはこちら 専用申し込みフォーム
お問合せ:070-8524-0574 / gokigenikka@gmail.com(ごきげん一家)
皆様のご参加を心よりお待ちしております。
南三陸311メモリアルでは、毎月ご来場いただいたお客様を対象に、アンケートを実施しております。
2025年1月にご回答いただいたアンケートより、お客様にいただいたご意見・ご感想をご紹介いたします。
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実施期間:2025年1月4日(土)~1月31日(金)
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南三陸311メモリアルは、明日2月11日(火・祝)に特別開館いたします。
通常火曜日は休館日ですが、毎月11日は「南三陸安心・安全の日」として制定されています。
それに伴い、9時~16時に開館、南三陸町の皆様はラーニングプログラム含め全て無料でご利用いただけます。
日頃の備え、そして次世代に語り継ぐためにも、ぜひご利用ください。
※ご入場の際に受付スタッフにお申し付けください。
1月18日、プロ野球チーム東北楽天ゴールデンイーグルスに新たに入団される選手の皆様が、南三陸311メモリアルにお越しくださいました。
<公式HPより 2025年度新入団選手が東日本大震災の被災地(南三陸町)を訪問 >
毎年チームキャンプ前に実施している新入団選手研修の一環で、メモリアルを中心に南三陸さんさん商店街や復興祈念公園、旧防災対策庁舎などを見学、佐藤仁町長や当館スタッフがご案内いたしました。
ラーニングプログラムでは、震災当時中学生だった方の証言から学ぶプログラム「そのとき命が守れるか」を視聴。自分のふるさとや、新たな生活が始まる仙台の地でどのような災害が起こりうるのか、真剣なまなざしでご覧いただきました。
また、今年は台湾出身の選手もいらっしゃいます。ラーニングプログラムのあとには、町長より南三陸と台湾との繋がりやこれまでの交流をご紹介しました。
メモリアルの後には、震災遺構である旧防災対策庁舎なども見学、町長より震災当時の体験談をお話しました。
ドラフト1位で入団した宗山塁選手からは、「被災当時の状況や実際に被害にあわれた方の話を初めて聞いて、今の自分たちの状況は当たり前ではないと強く感じました。」と感想をお話いただきました。
選手のみなさま、今年もご来館いただき誠にありがとうございました。
本日、南三陸町で語り部として活躍している菅原文雄さん、芳賀タエ子さんへ、復興大臣より感謝状が贈呈されました。
<復興庁HPより:語り部等の大臣感謝状の贈呈について > 今回贈呈されたのは、被災地内外の防災・減災意識の向上に貢献いただいていることへの感謝状です。
被災3県の伝承団体や各自治体から推薦を受けた計52名が選ばれ、南三陸町ではこちらの6名の方々が感謝状を受け取りました。
一般社団法人南三陸町観光協会 / 菅原文雄・芳賀タエ子
三陸復興観光コンシェルジュセンター / 佐藤良夫
南三陸ホテル観洋 / 鈴木昌敏・芳賀光夫・宮川ルミ
(敬称略・順不同)
南三陸311メモリアルでは、今後も町の皆様とともに語り伝えていく取り組みに励み、次世代の伝承活動の担い手の育成にも尽力して参ります。
受賞された皆様、おめでとうございます!
南三陸311メモリアルでは、震災前の町の様子から、震災当時の町の被害状況や避難の様子、また語り部自身の体験談や今の想いをお伝えするプログラムを提供しております。
詳細はこちら ▶ 【新プログラムのご案内】さまざまな語り部プログラムをご用意しております
今回感謝状を贈呈されたみなさんの語り部ガイドもご予約いただけます。
ぜひご利用ください。
南三陸311メモリアルでは、特別企画展『伝えたかった ❛❛ありがとう❜❜ 』を開催したします。
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会期:2025年1月4日(土) ~ 3月31日(月)
時間:1月4日(土)~2月28日(金) 9時~16時 / 3月1日(土)~3月31日(月) 9時~17時
場所:館内 みんなの広場
休館:毎週火曜日 ※3月11日(火)は特別開館
企画協力:南三陸町社会福祉協議会
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東日本大震災から14 年もの歳月が流れました。 何もかもを失い、途方に暮れるしかなかった当時の状況を忘れることはできません。
そんな混乱と絶望の中で助けてもらったこと、掛けてもらったあたたかい一言…。
当時の感謝の思いは決して消えることなく、心の奥深くに残っています。
あのとき伝えることができなかった感謝を伝えたい。
住民のみなさんに、「伝えたかった“ありがとう”」を募ったところ、多くのメッセージが集まりました。
遠方の方々、ご近所や地域の人たち、家族への「ありがとう」。
ずいぶんと時間が経ってしまいましたが、今、私たち南三陸町民からあなたへ、心を込めて「ありがとう」を贈ります。
皆様のご来館を心よりお待ちしております。
12月3日と10日に、今年度の視察研修を実施いたしました。
今回の視察先は福島第一原子力発電所と廃炉資料館。
東日本大震災から13年経過する2024年、今なお廃炉へ向けた取り組みが続く東京電力福島第一原子力発電所などの視察を通して、震災伝承に取り組む自分たちの活動を振り返り、私たちがなにを語り継ぐのかを考える機会とすることを目的としています。
今回の視察では、経済産業省資源エネルギー庁の木野さんにアテンドいただきました。 木野さんは震災直後から富岡町や原発構内での対応をされています。
富岡町内のショッピングセンターで合流し、そこから国道を走り大熊町に向かいます。
道中では、事故後の光景や避難を強いられた当時の様子、現在の富岡町の町民の方々の話などを聞きながら、原発構内に向かいました。 入り口での厳重なセキュリティチェックを終え、構内の見学へ。
東京ディズニーリゾート3.5個分という広大な敷地は、双葉町と大熊町に跨る形で広がっています。
福島第一原発の原子炉内に残されている880トンの燃料デブリのうち、先日の作業でやっと0.5グラムが取り出されたこと。
地下水や雨水の流入によって発生する汚染水は、多核種除去設備(ALPS)によって放射性物質が規制基準以下になるまで繰り返し浄化処理されていること。
ALPS処理水に残されている放射性物質トリチウムは川や海の自然界にも存在しており、世界各国の原子力施設からも、各国の基準に基づいて放出されていること。
地震への対策はできていたが、津波への対策は不十分だったこと。
見学させていただいた原発建屋前の展望台は、建屋から約300m。その距離を、特殊装備なしで見学できることに驚いたというスタッフもいました。
放射線量が高い場所は時間を確認しながらの見学でしたが、それでもマスクは任意で、あとはほぼ普段着のまま。
作業員の方々も一部を除き通常の作業着。事故当時から時間はかかっているものの、構内の環境は少しずつ改善されているとのことでした。
見学後の感想として職員間で共通していたのは、現地に立ち体験することの重要性を改めて考えたということ。
知識として持っていた情報と、現場で目の前にした現状は少なからず乖離していたものもありました。
この経験を自分たちの震災伝承にどのように生かすのか、今後も考え続けていきたいと思います。
南三陸311メモリアルは、年内12月28日(土)まで開館いたします。
【年末年始開館スケジュール】
12月28日(土) 年内最終開館日
12月29日(日)~1月3日(金) 年末年始休館日
1月4日(土) 年始開館日
南三陸311メモリアルでは、毎月ご来場いただいたお客様を対象に、アンケートを実施しております。
2024年度11月にご回答いただいたアンケートより、お客様にいただいたご意見・ご感想をご紹介いたします。
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実施期間:2024年11月1日(金)~11月30日(土)
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南三陸311メモリアルでは、毎月ご来場いただいたお客様を対象に、アンケートを実施しております。
2024年度10月にご回答いただいたアンケートより、お客様にいただいたご意見・ご感想をご紹介いたします。
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実施期間:2024年10月2日(水)~10月31日(木)
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南三陸311メモリアルでは、冬季期間での閉館時間を変更いたしますので、お知らせいたします。
12月1日(日)~2月28日(金) 9:00~16:00まで
※参考 3月1日~11月30日 9:00~17:00
ご来館の際には一度ご確認いただきますよう、よろしくお願いいたします。
南三陸311メモリアルでは、震災前後の写真を活用した特別写真展『懐かしき思い出のまちで』を開催いたします。
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会期:11月6日(水) ~ 12月28日(土) 9時~17時
場所:館内 みんなの広場
休館:毎週火曜日
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震災以前、ここにあった街並みを覚えていますか?
ずっと昔から南三陸には街並みがあり、人々の暮らしがありました。未来へ、次世代へ伝えていくために、懐かしの思い出とともに開催いたします。
震災直後から10年間南三陸町に通いながら町の変化を追い続けた東京の写真家淺川敏氏と、この町の皆さんからお寄せいただいた写真を多数展示し、南三陸町が辿った変化の一端を振り返ります。
〈 淺川 敏 氏 プロフィール〉
写真家。ZOOM主宰 日本建築写真家協会会員。
1959年 東京・新宿生まれ。1980年 東京工芸大学卒業。
1999~2004年 桑沢デザイン研究所非常勤講師。
また今回は、写真家・淺川敏氏と町民の交流イベント「語らいの集い」を開催いたします。
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「語らいの集い」概要
日時:令和6年11月6日(水) 午前10時~
場所:南三陸311メモリアル みんなの広場
申込不要、当日当館にお越しください。
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この度の地震により被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
令和6年1月1日(月)午後4時10分ごろに石川県能登地方で発生した地震により各地で甚大な被害が発生しています。
南三陸311メモリアルでは、これらの状況を受け、本日より令和6年能登半島地震 災害義援金の受付を開始いたしました。
主に被災者への義援金としての寄付、状況により復旧・復興のための支援活動に使わせていただきます。
館内受付カウンターにて、募金箱を設置しておりますので、ご支援・ご協力をよろしくお願いいたします。
<1月4日(土) 追記>
多くのみなさまのご協力を賜り、誠にありがとうございます。
12月25日時点で、550,462円が集まり、南三陸町役場を通じて能登半島被災地へ届けていただきました。
当館では、引き続き受付での募金呼びかけをはじめとした被災地支援を継続して実施しております。
引き続き、皆さまのご支援・ご協力をよろしくお願いいたします。
10月8日、広島市立舟入高等学校のみなさまが、修学旅行で南三陸311メモリアルへご来館されました。
広島市立舟入高等学校の修学旅行では、北海道・宮城・福島など、いくつかの訪問先から生徒それぞれが希望するコースを選択。宮城県はそのコースの中の1つです。各地の震災遺構や伝承館への訪問、産業復興や震災後のまちづくりの中心を担った方からの講話などを通じて学びます。
南三陸311メモリアルに入ってすぐのエントランスには、震災に関する数字やデータをまとめたパネル・立体地図があります。エントランスでは、震災前の町の海抜から10.8m嵩上げした高さにこのメモリアルが建てられていること、そしてこの施設の天井とほぼ同じくらいの地点に津波が到達したことが、スタッフから開設されました。壁には旧防災対策庁舎を襲った津波の高さ15.5mのラインが示されていて、生徒の皆さんは首を大きく傾けて見上げていました。
その後、東日本大震災のエピソードをまとめた展示や証言映像、資料などが並ぶ展示ギャラリーへ進みます。
1人でじっくりと展示パネルを読み込んだり、友達と指を差し合いながら証言映像を眺めたりして、各自で学びを深めていきます。
その奥のアートゾーンでは、クリスチャン・ボルタンスキーのインスタレーション作品「MEMORIAL」を鑑賞。生と死、命の尊厳に向き合いながら作品を作り続けてきたボルタンスキーの思い、そして積み上げられた錆びた缶とそれを照らす白熱灯の灯りから、失われた命を想い馳せます。
今回、メインとなるプログラムは、ラーニングプログラムのレギュラー②「そのとき命が守れるか」を選択されました。
町民の証言映像を視聴し、町の指定避難場所・避難所の多くが津波に襲われた南三陸町の事例から、自然災害が発生すると想定をはるかに超えた事態に直面することがあるということを学びます。
映像では、震災当時中学生・高校生だった証言者たちが、あの日津波に襲われた避難所でどのような避難や対応をしたのかを語ります。プログラム中、いくつかの問いかけや1分間の対話の時間が設けられていて、周りの人と話すことで、自分自身の理解を深め、新たな気づきや考え方を得ることができます。
対話の時間では、「広島って土砂崩れが多い地域だよね」「台風や豪雨災害の時って地震と同じ備えじゃダメじゃない?」「津波がきたら屋上じゃ逃げられないよね」など、知っている知識や気づきと合わせて、様々な感想が飛び交っていました。
館内見学後に感想を伺いました。
ある男子生徒さんは、南海トラフ地震が心配される中で、地震などの対策を考えたいと思って宮城コースを選択されたとのこと。
「印象に残ったのは、第2第3の避難先を考えるという消防士さんの話。一度の避難で安心してしまいそうだが、その先も危険を考え続ける必要があるんだと思いました。」
また、別の女子生徒さんは、「福島の原子力災害のことを学ぶことが多く、宮城の地震や津波のことを学ぶ機会は少なかった」から、今回宮城コースを選択されたそうです。
「印象に残ったのは、中学生自身が人命救助を行ったという話と、それでも人を救えなかったという証言。自分が中学生だったらきっとできなかったと思う。それでもやらなければならない時があるんだと思ったし、そのときに自分は行動できるのか、これからも考えたいです。」
先生にお話を伺うと、東北方面は初めて訪問するとのことで、「自分で選択したコースなので、みんな楽しみにしてきました。広島は平和教育が盛んで、実際の被害状況を伝える施設が多いんですが、自分がどう考えるかを問いかける施設はなかなかありません。とても充実した学びになりました。」と感想をいただきました。
帰り際、将来教員を目指しているという生徒さんが、「知らないこともありましたし、それ以上に考えることがたくさんありました。」と、お話されました。
南三陸311メモリアルは、震災の出来事や教訓を伝えるための施設である以上に、考え続けるためのきっかけを提供することが役割の震災伝承館です。「何が生死の分かれ目になってしまったのか」「自分自身ならどう判断しどう行動するのか」など、答えのない問いを考え続けることが大切だと、私たちは考えています。
今回の学びや気づきが、これからの生活の中で大切なものを守るために活かしていただけたら幸いです。
広島市立舟入高等学校のみなさま、ご来館ありがとうございました。
10月7日、三菱地所コミュニティ株式会社のみなさんが新入社員研修の一環として南三陸町にお越しになり、「今日から実践できる防災1アクションを持ち帰る簡単ワークショップ~南三陸のケーススタディを活かして~」を受講されました。
南三陸町などの地方で研修を行うのは初めてとのことで、東北に初めて足を運んだという方も多くいらっしゃいました。
会社としてのメイン業務はマンションやビルなどの建物管理などに関する業務とのことで、以前から防災に関しては会社としても注力してきたそうです。今回参加された方々も、自治管理組合や住民のみなさんに防災を呼びかけることが業務としては多いとのこと。
今回、南三陸町を研修地として決められたのは、「それに関するマニュアルはありますが、やはり自分の言葉できちんと伝えられるようになってほしい」という目的から。そのために、やはり現地で体験し学ぶ必要があると考え、今回の研修を企画されたそうです。
午前中には、旧戸倉中学校や五十鈴神社など、実際に被災した現場を巡る視察を実施。そのあと、午後からこちらのワークショップを受講されました。
自然災害が発生した際には、携帯電話が使えない、家が被災して戻れないなど、日常では考えられない状況になります。それらの状況を想定したうえで、東日本大震災を経験した住民の証言映像を視聴します。そして参加者でアイデアを共有しながら、家族や個人が今日から実践できる防災アクションを決め、持ち帰っていただくというワークショッププログラムです。
ワークショップの初めに行うのが、「現時点での備え」を書き出すワーク。この時間では、自宅で備えているもの、家族と話し合っていること、職場でのマニュアルなど、「今の自分が備えているもの・こと」を書き出します。
そして、メインとなる証言映像の視聴に進みますが、その前に東日本大震災以後に発生した自然災害の特徴や災害時に明らかになった課題などを、ファシリテーターが解説します。
過去に頻発している水害は河川などの近くで発生するとは限らないという話や、インフラに関する課題が浮き彫りになった状況などの解説が、「もしかしたら自分も同じように被災するかもしれない」という想像に繋がります。
これが「自然災害を自分事にするコツ」として、証言映像の受け止め方や防災1アクションを決める際に活用されます。
証言映像を視聴した後は、そこからの気づきや発見した点をもとに、「新たにやってみようと思った備え」を書き出し、グループで共有します。
今回参加した社員の皆様は、出身や勤務地も様々。グループで話し合う中でも、それぞれの地域の特徴や不安に感じる点などが異なるからか、「なるほど」「そっか、そうだよね」という声も多く聞こえてきました。
そして、最後に各自が持ち帰り実行するための「防災1アクション」を決め、全体発表をして、ワークショップは終了です。
ワークショップ終了後に感想を聞かせていただきました。
東京で勤務しているという女性は、『家族と避難場所を確認しておく』という防災1アクションを決めました。
「ワークショップで印象に残ったのは、家族との合流場所を決めなければいけないという点。仕事中に被災したら、家族がバラバラに避難することになります。携帯が使えなかった場合にどこにいるのかわからなくなるため、その場合でも合流できるように避難所を把握して、合流場所を話し合っておきたいです。」
また別の女性は、午前中に訪れた南三陸町戸倉地区の五十鈴神社でのエピソードが印象に残っているとのこと。こちらの方も、「避難経路の確認、避難場所の確認」を防災1アクションとして決めていました。
「仕事中に被災して家族が心配になっても、自分は仕事を離れられない。その場合でもきちんと事前に話し合って確認しておけば安心だし、不安感も取り除けると思います。また、自宅でペットを飼っているので、そのペットと一緒に避難できる場所も把握しておきたいです。」とのことでした。
防災1アクションを決めるワークの時間に、ファシリテーターから「どんな小さなことでも構いません。実際に実行できるかどうかがカギです。」と声がかかりました。
研修で終わらせるのではなく、自分が今暮らす地域に戻ってから実際にアクションを起こしてほしい。どんなに小さなことでも、実際に行動し積み重ねていくことが、自分の命や大切なものを守ることにつながるはず。
南三陸311メモリアルでは、そんな願いも込めて、このワークショップを提供しています。
これからの仕事や暮らしの中で、今回の研修で学んだことが自身の防災に活かしていただけたら幸いです。
三菱地所コミュニティ株式会社のみなさま、お越しいただきありがとうございました。
南三陸311メモリアルでは、毎月ご来場いただいたお客様を対象に、アンケートを実施しております。
2024年度9月にご回答いただいたアンケートより、お客様にいただいたご意見・ご感想をご紹介いたします。
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実施期間:2024年9月1日(日)~9月30日(月)
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南三陸311メモリアルは、2024年10月1日に開館2周年を迎えました。
この度、来館者よりご回答いただいた約2,000件のアンケートを公開したプレスリリースを発表いたしました。
【南三陸311メモリアル】ラーニングプログラム体験者3万人以上、満足度93.4% 来館者アンケートを公開
当館は、開館以来23万人以上の方々にお越しいただき、約3万人のお客様にラーニングプログラムを体験いただきました。
これまで回答いただいた2000件以上のアンケートより、実際のお客様の感想・コメントを踏まえ、今後もより良い震災伝承・防災教育・施設運営に努めてまいります。
2024年10月1日、南三陸311メモリアルは開館から2周年を迎えます。
この度の2周年を記念して、ご来場のお客様へ特別企画をご用意いたしました!
①10月1日(火) 特別開館
当館は毎週火曜日が通常休館日ですが、この日は特別開館いたします。ラーニングプログラムをはじめ、館内のコンテンツガイドも行いますので、ぜひお越しください。
開館時間:9時~17時
②2周年記念オリジナルノベルティをプレゼント!
館内のラーニングプログラムを体験したお客様、先着100名様にオリジナルノベルティをプレゼントいたします。
地元名産の南三陸杉でつくったオリジナルキーホルダーです!南三陸でがんばる人を応援するキャラクター「オクトパス君」がひょこっと現れて、2周年をお祝いしてくれています。
③南三陸町民のみなさま対象!毎月11日は町民無料デイ!
毎月11日は「南三陸町安全安心の日」。それに合わせ、毎月11日は町民のみなさまであれば無料でご利用いただけます。
日頃の備え、そして次世代に語り継ぐためにも、ぜひご利用ください。
※ご入場の際に受付スタッフにお申し付けください。
今後とも多くの皆様のご来場を心よりお待ちしております。
2024年10月1日、南三陸311メモリアルは開館から2周年を迎えることができました。
2022年10月1日の開館以来、今日に至るまで23万人を越える皆様にご来館いただき、約3万人の方々にラーニングプログラムを体験いただきました。皆様に心より感謝申し上げます。
東日本大震災の発生から13年以上の月日が経過し、その間にも日本各地で様々な自然災害が発生しております。
過去の災害から事実や教訓を知り、自分事として考えることは、未来の防災・減災につながります。
南三陸311メモリアルでは、地震・津波を経験した南三陸町での事実・経験・教訓を伝え続けながら、「自分が自然災害に直面したら、どう判断し行動するか」を考えるきっかけを、これからも変わらずに提供いたします。
今後とも多くのみなさまのご来館を、スタッフ一同心よりお待ちしております。