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【団体レポート】京都市立西京高等学校様 ラーニングプログラム②「そのとき命が守れるか」実施レポート

【選択プログラム】ラーニングプログラム②「そのとき命が守れるか」
【日時】2023年3月6日(月)
【人数】24名




3月6日に京都市立西京高校様が来館されました。西京高校様の教育旅行では、7つの訪問先から生徒それぞれが行きたいコースを選択。その中の1つ、東北コースのテーマは「震災・防災」です。東日本大震災の震災遺構や伝承施設など中心に各地を訪問する6日間のうち、1日を南三陸町で過ごされます。

「昨年の秋頃に、2年生が教育旅行で南三陸町に行き、南三陸311メモリアルのラーニングプログラムを受講しました。引率した先生方が『生徒が熱心に学べる施設だったよ』と勧めてくれたので、1年生の教育旅行先にも選びました。私たちが住んでいる京都では、過去に阪神淡路大震災もありましたし、今後南海トラフ地震が起こると言われています。防災について、もっと知っておくべきじゃないかという意識が高い生徒が、東北コースを選択してくれました」




南三陸311メモリアルに入ってすぐのエントランスには、震災に関する数字やデータをまとめたパネル・立体地図があります。スタッフより、自分達が今立っている場所から約10m下の場所に町があったこと、そしてこの施設の天井とほぼ同じくらいの地点に津波が到達したことを説明してもらいました。壁には旧防災対策庁舎を襲った津波の高さ15.5mのラインが示されていて、生徒の皆さんは首を大きく傾けて見上げていました。

その後、東日本大震災のエピソードをまとめた展示や証言映像、資料など並ぶ展示ギャラリーへ進みます。1人でじっくりと展示パネルを読み込んだり、友達と指を差し合いながら証言映像を眺めたりして、各自で学びを深めていきます。




次にアートゾーンでは、スタッフの説明を聞きながら、クリスチャン・ボルタンスキーの「MEMORIAL」を鑑賞。生と死、命の尊厳に向き合いながら作品を作り続けてきたボルタンスキーの思いを感じて、プログラムが行われるラーニングシアターへと進みます。

今回受講いただいた「プログラム2 そのとき命が守れるか」では、町の指定避難場所・避難所の多くが津波に襲われた南三陸町の事例から、自然災害が発生すると想定をはるかに超えた事態に直面することがあるということを学びます。映像では、震災当時中学生・高校生だった証言者たちが、あの日津波に襲われた避難所でどのような避難や対応をしたのかを語ります。プログラム中、いくつかの問いかけや1分間の対話の時間が設けられていて、周りの人と話すことで、自分自身の理解を深め、新たな気づきや考え方を得ることができます。






今回参加した生徒さんから、

「証言映像を見ながら、メモをとったり、周りと話し合ったりしたことで、自分がもし同じ状況になったらどう行動するか考えさせられました。避難先に2つ目の選択肢を作っておくという教訓は私たちにも活かせそうだなと感じたので、今やっている避難訓練で満足せず、いざという時のことをもっと考えていきたいと思いました」

「映像の中で出てくる問いにすぐ答えられなかったことで、普段の生活の中で災害が起きた時のことや防災について考えられていないことに気づきました。自然災害に襲われた時、とっさの判断と行動ができるように、日頃から当事者意識を持って考えていきたいです」

と感想をいただきました。

引率した先生からは、

「プログラム2は、同世代の人の証言や経験談が多く取り上げられているので、生徒達は自分ごととして感じられたと思います。今回プログラムを受講した東北コースでは、他の地域の震災経験についても学ぶので、南三陸町で聞いたお話を1つの参考にしながら、生徒たちと防災について考えを深めていきたいと思います」

と感想をいただきました。




南三陸311メモリアルのラーニングプログラムで大切にしていることの1つが、自分以外の誰かと語り合うことです。短時間でも誰かと話せば、自分にはなかった考え方に触れることができます。自分以外の意見も取り入れながら、さまざまな事態にどう対応するか考え続けていくことが大切です。その積み重ねが、いざという時に自分の命を守ることに繋がるのだと、感じていただけたら幸いです。

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南三陸311メモリアルでは、全国各地の団体様に教育旅行などでご利用いただいております。
事前事後学習に活用いただけるミニブックの他、各種語り部プログラムもご用意。より深い学びにつながるプログラムをご用意しております。

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