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【団体レポート】仙台市立仙台青陵中等教育学校様 ラーニングプログラム②「そのとき命が守れるか」実施レポート


【選択プログラム】ラーニングプログラム②「そのとき命が守れるか」
【日時】2023年3月3日(金)
【人数】138名




3月は東日本大震災が発生した月です。震災から12年が経った今も、当時の教訓や防災について学びたいという方々の来訪が後を絶ちません。今回取材した、仙台市立青陵中等教育学校様もその1つです。

今回、南三陸町を選んだ理由を引率の先生に伺ったところ、「教育旅行の日程が3月ということで、東日本大震災の教訓や防災への学びを深める教育旅行にしたいと考えました。そんなとき、南三陸町に新しい震災伝承施設がオープンすると知りました。映像を用いたラーニングプログラムであれば、当時の記憶がない生徒にも、被災当時の様子が想像しやすく、より身近に防災について学べるのではないかと期待して、行程を組みました」とおっしゃっていました。

今回は、南三陸311メモリアルのラーニングプログラム「プログラム2 そのとき命が守れるか」と、語り部とともに実際の被災場所をめぐる「バス語り部」を組み合わせ、クラスごとに時間帯を分けて実施しました。今回の取材では、先に南三陸311メモリアル、その後バス語り部をおこなったクラスに同行しました。

「プログラム2 そのとき命が守れるか」では、町の指定避難場所・避難所の多くが津波に襲われた南三陸町の事例から、自然災害が発生すると想定をはるかに超えた事態に直面することがあるということを学びます。



震災当時中学生だった証言者たちは、避難所で津波に襲われました。プログラムでは、当時彼らがどのような避難や対応をしたのか知ることができます。そして、その証言を参考に、自分にできる防災や防災への考え方について、周りの人と話し合いながら深めていきます。自分達と同世代の人が、当時どんな体験をしたのか、どんな思いだったかを聞くことで、より身近に震災についての理解が深まると、多くの学校で取り入れていただいているプログラムです。





プログラム2の視聴後、語り部の案内で、証言映像に出てきた旧戸倉中学校へと向かいます。指定避難所だった戸倉中学校の校舎も津波で浸水してしまい、中学生もグラウンドから必死に山に登って避難しました。現地に訪れてみたことで、校舎を襲った「約22.6mの津波」がどれくらいの高さだったのかを体感的に理解します。





自分達よりも遥かに高い位置に津波到達ラインがあることを知り、生徒のみなさんは津波の凄まじさを実感している様子でした。語り部から、震災後中学生達がどのように過ごしていたのかという話を伺いました。友達と学校に通う、卒業式をする、家に帰って家族と過ごすという、当たり前だった生活が当たり前ではなくなってしまったということを話していました。


その後、旧防災対策庁舎のある震災復興祈念公園へ向かいました。プログラム2で、南三陸町は震災後に土を盛り、町の至る所をかさ上げしたという話が出てきます。今では、311メモリアルなどの施設がある場所から、見下ろせる場所にある旧防災対策庁舎。ここが震災前の町の高さだということを実際に歩いて感じてみます。プログラムの証言だけでは想像できなかった震災後のまちづくりや防災への考え方を、より深めることができたようでした。




参加した生徒の方からは、

「南三陸311メモリアルで、津波の映像を見たり、証言を聞いたりすることで、命を奪う自然災害の恐ろしさを痛感しました。実際に旧戸倉中学校や旧防災対策庁舎を訪れたことで、より当時の様子が想像でき、本当にすごい災害が起こったのだと実感しました」

「語り部さんのお話にあった、『自分の命をまず守る。自分の命を守ってから人の命を守るんだよ』って話が印象に残っています。まずは自分の命を守るために、今回学んだことを日頃の防災に生かしていきたいと思います」

と感想をいただきました。


引率の先生からは、

「映像を見た後に、実際に被災した場所へ行くことで、私としても非常に実感が湧きました。自分の想像以上に生徒達が真剣に考え、学んでいる様子が見られたので、2つのプログラムを組み合わせる行程にしてよかったなと思います。震災や防災について考えるきっかけにはなったと思うので、今後も生徒達と防災について考えていきたいと思いますし、今日の学びを思い返していきたいと思います」

と感想をいただきました。


南三陸311メモリアルのとある場所に、「わかることは、変わること」という言葉が刻まれています。

今回、証言を聞いて知ったこと、周りの人との話し合いの中で気づいたこと、実際に現地を歩いてみて理解したことが、参加した方々の防災への意識や生き方に変化を与えるきっかけになれば幸いです。

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今回は、4つのグループに分かれて、ラーニングプログラム/バス語り部を組み合わせて実施いたしました。
南三陸311メモリアルでは、まちあるきやバス、震災講話などの各種語り部プログラムと組み合わせて、より深い学びにつながるプログラムをご用意しております。

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