お知らせ

News

【視察研修】福島での視察研修を実施しました

12月3日と10日に、今年度の視察研修を実施いたしました。

 

今回の視察先は福島第一原子力発電所と廃炉資料館。

東日本大震災から13年経過する2024年、今なお廃炉へ向けた取り組みが続く東京電力福島第一原子力発電所などの視察を通して、震災伝承に取り組む自分たちの活動を振り返り、私たちがなにを語り継ぐのかを考える機会とすることを目的としています。

今回の視察では、経済産業省資源エネルギー庁の木野さんにアテンドいただきました。 木野さんは震災直後から富岡町や原発構内での対応をされています。

富岡町内のショッピングセンターで合流し、そこから国道を走り大熊町に向かいます。

道中では、事故後の光景や避難を強いられた当時の様子、現在の富岡町の町民の方々の話などを聞きながら、原発構内に向かいました。 入り口での厳重なセキュリティチェックを終え、構内の見学へ。

東京ディズニーリゾート3.5個分という広大な敷地は、双葉町と大熊町に跨る形で広がっています。

 


福島第一原発の原子炉内に残されている880トンの燃料デブリのうち、先日の作業でやっと0.5グラムが取り出されたこと。

地下水や雨水の流入によって発生する汚染水は、多核種除去設備(ALPS)によって放射性物質が規制基準以下になるまで繰り返し浄化処理されていること。

ALPS処理水に残されている放射性物質トリチウムは川や海の自然界にも存在しており、世界各国の原子力施設からも、各国の基準に基づいて放出されていること。

地震への対策はできていたが、津波への対策は不十分だったこと。

 

見学させていただいた原発建屋前の展望台は、建屋から約300m。その距離を、特殊装備なしで見学できることに驚いたというスタッフもいました。

放射線量が高い場所は時間を確認しながらの見学でしたが、それでもマスクは任意で、あとはほぼ普段着のまま。

作業員の方々も一部を除き通常の作業着。事故当時から時間はかかっているものの、構内の環境は少しずつ改善されているとのことでした。

 

見学後の感想として職員間で共通していたのは、現地に立ち体験することの重要性を改めて考えたということ。

知識として持っていた情報と、現場で目の前にした現状は少なからず乖離していたものもありました。

この経験を自分たちの震災伝承にどのように生かすのか、今後も考え続けていきたいと思います。