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【団体レポート】三菱地所コミュニティ株式会社様が「今日から実践できる防災1アクションを持ち帰るワークショップ」を受講

10月7日、三菱地所コミュニティ株式会社のみなさんが新入社員研修の一環として南三陸町にお越しになり、「今日から実践できる防災1アクションを持ち帰る簡単ワークショップ~南三陸のケーススタディを活かして~」を受講されました。

南三陸町などの地方で研修を行うのは初めてとのことで、東北に初めて足を運んだという方も多くいらっしゃいました。

会社としてのメイン業務はマンションやビルなどの建物管理などに関する業務とのことで、以前から防災に関しては会社としても注力してきたそうです。今回参加された方々も、自治管理組合や住民のみなさんに防災を呼びかけることが業務としては多いとのこと。

今回、南三陸町を研修地として決められたのは、「それに関するマニュアルはありますが、やはり自分の言葉できちんと伝えられるようになってほしい」という目的から。そのために、やはり現地で体験し学ぶ必要があると考え、今回の研修を企画されたそうです。


午前中には、旧戸倉中学校や五十鈴神社など、実際に被災した現場を巡る視察を実施。そのあと、午後からこちらのワークショップを受講されました。

自然災害が発生した際には、携帯電話が使えない、家が被災して戻れないなど、日常では考えられない状況になります。それらの状況を想定したうえで、東日本大震災を経験した住民の証言映像を視聴します。そして参加者でアイデアを共有しながら、家族や個人が今日から実践できる防災アクションを決め、持ち帰っていただくというワークショッププログラムです。

ワークショップの初めに行うのが、「現時点での備え」を書き出すワーク。この時間では、自宅で備えているもの、家族と話し合っていること、職場でのマニュアルなど、「今の自分が備えているもの・こと」を書き出します。

そして、メインとなる証言映像の視聴に進みますが、その前に東日本大震災以後に発生した自然災害の特徴や災害時に明らかになった課題などを、ファシリテーターが解説します。

過去に頻発している水害は河川などの近くで発生するとは限らないという話や、インフラに関する課題が浮き彫りになった状況などの解説が、「もしかしたら自分も同じように被災するかもしれない」という想像に繋がります。

これが「自然災害を自分事にするコツ」として、証言映像の受け止め方や防災1アクションを決める際に活用されます。

証言映像を視聴した後は、そこからの気づきや発見した点をもとに、「新たにやってみようと思った備え」を書き出し、グループで共有します。

今回参加した社員の皆様は、出身や勤務地も様々。グループで話し合う中でも、それぞれの地域の特徴や不安に感じる点などが異なるからか、「なるほど」「そっか、そうだよね」という声も多く聞こえてきました。

そして、最後に各自が持ち帰り実行するための「防災1アクション」を決め、全体発表をして、ワークショップは終了です。

 

ワークショップ終了後に感想を聞かせていただきました。

東京で勤務しているという女性は、『家族と避難場所を確認しておく』という防災1アクションを決めました。

「ワークショップで印象に残ったのは、家族との合流場所を決めなければいけないという点。仕事中に被災したら、家族がバラバラに避難することになります。携帯が使えなかった場合にどこにいるのかわからなくなるため、その場合でも合流できるように避難所を把握して、合流場所を話し合っておきたいです。」

また別の女性は、午前中に訪れた南三陸町戸倉地区の五十鈴神社でのエピソードが印象に残っているとのこと。こちらの方も、「避難経路の確認、避難場所の確認」を防災1アクションとして決めていました。

「仕事中に被災して家族が心配になっても、自分は仕事を離れられない。その場合でもきちんと事前に話し合って確認しておけば安心だし、不安感も取り除けると思います。また、自宅でペットを飼っているので、そのペットと一緒に避難できる場所も把握しておきたいです。」とのことでした。


防災1アクションを決めるワークの時間に、ファシリテーターから「どんな小さなことでも構いません。実際に実行できるかどうかがカギです。」と声がかかりました。

研修で終わらせるのではなく、自分が今暮らす地域に戻ってから実際にアクションを起こしてほしい。どんなに小さなことでも、実際に行動し積み重ねていくことが、自分の命や大切なものを守ることにつながるはず。

南三陸311メモリアルでは、そんな願いも込めて、このワークショップを提供しています。

これからの仕事や暮らしの中で、今回の研修で学んだことが自身の防災に活かしていただけたら幸いです。   三菱地所コミュニティ株式会社のみなさま、お越しいただきありがとうございました。