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【団体レポート】スズケングループ労働組合連合会の皆さまが企業研修で来館されました

2024年7月14日に、スズケングループ労働組合連合会の皆さまが、南三陸311メモリアルに来館されました。

今回、連合会としての総会に合わせて南三陸町で研修をされるとのことで、メモリアルの展示見学とラーニングプログラム、震災当時高校生だった方の語り部を聞くプログラムを受講されました。

館内入ってすぐのエントランスには、震災に関する数字やデータをまとめたパネル・立体地図があります。スタッフより、自分達が今立っている場所は震災後に10.8m嵩上げした土地であること、そしてこの施設の天井とほぼ同じくらいの地点に津波が到達したことをお伝えしました。また、旧防災対策庁舎を襲った津波の高さ15.5mのラインが壁に示されており、首を大きく傾けて見上げながら「想定外」の事実を目の当たりにしました。

その後、東日本大震災のエピソードをまとめた展示や証言映像、資料などが並ぶ展示ギャラリーへ進みます。旧防災対策庁舎の屋上で生存した方々の証言映像では、全員が食い入るように視聴していました。

ラーニングプログラムでご覧いただいたのは、「そのとき命が守れるか」というレギュラープログラムです。

震災時に、町内の指定避難所・避難場所の多くが津波に襲われたという南三陸町の事例から、自然災害発生時には想定をはるかに超えた事態に直面する可能性があるということを学びます。

震災当時中学生・高校生だった証言者たちが、あの日津波に襲われた避難所でどのような避難や対応をしたのか。そして消防士として人命救助にあたる職務についていた方々が、震災を経て「自分の命を守る」ということの意味をどのように捉え直したのか。

プログラム中には教訓から得られた問いかけと、参加者同士での対話の時間が設けられています。それらを通じて、新たな気づきや考えを手にすることができるのが、ラーニングプログラムの特長です。

最後に、参加された方々の感想をご紹介します。

福島から参加された方は、「こんなに自分で考えさせられるプログラムは初めてでした」と、多くの気づきがあったとのことでした。

「普段薬局などに関わることも多く、店舗にいる際にスタッフを先に避難させることもあります。その際に、自分自身の避難行動も考えておかなければいけないんだと気づかされました。」

名古屋から参加された方は、「被災された方々の映像は、正直心苦しいものがありました」とのことで、自分の命を守るということを深く考える時間になったとのことです。

「医療や福祉などの分野で働くエッセンシャルワーカーが多い企業。自分の命を守ることで、薬を必要とする人に届けられたり、介護福祉を必要とする人をサポートできたり、そうやって医療を必要とする方々の命を守ることにつながるんだと思いました。」

スズケングループ様は、医薬品卸売事業や介護福祉事業、ヘルスケア製品開発など、広く医療分野に関わる事業を展開する企業様ということもあり、「人を助ける」ということを強く意識する仕事が多いとのことです。そういった企業活動の中に、南三陸町をはじめ、東日本大震災被災地の教訓を生かしていただけたら幸いです。

ご来館いただき、誠にありがとうございました。